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測定機器を校正する必要と校正を行うタイミング・有効性の立証方法

測定機器は、正しく計測を行うために定期的な確認作業が必要です。正確な測定値が得られるかは「校正」というプロセスで確認します。

測定機器が不正確な値を表示すると、測定器に繋がる別の機器が正しく動作しないおそれもあるため、定期的な校正によって精度を保つ必要があるのです。

この記事では、測定機器の概要と校正の必要性、校正を行うタイミングや校正を行う方法、結果の有効性を立証する方法について紹介しますので、メンテナンスや校正サービスの利用を検討する際の参考にしてください。

測定機器とは

測定機器は、温度や湿度の量を測定するための機器です。ノギス・マイクロメーター・三次元測定機・粗さ計・レーザートラッカーなど、計測するものにあわせて選べます。

「計測器」「計測機器」「測定器」とも呼ばれますが、いずれも目的は共通しています。電気量やものの寸法、温湿度のように目に見えない情報を数値・データ化するために使用される機材です。

測定機器の目的は計測や測量ですが、国や地方自治体が定める法律・規定に沿って検査や管理を行ったり、稼働中の機械や機器が正しく動作しているかの確認をしたりと、重要な役割をもっています。

関連記事:測量とは?測量機器の種類と機能・効率的に測量を行うポイント

測定機器に校正は必要なのか

校正は、測定機器が正確に動作し、正しい値を出すことを確認する作業です。基準とする機器と校正の対象となる測定機器の値を比較し、誤差を把握します。

測定機器は常に一定の精度を確保しなければならないため、校正が重要な役割を果たします。校正によって目視や簡単な動作チェックだけでは確認できない微細な誤差や異常を早期に発見し、メンテナンスや調整によって早期対応が可能になります。

測定機器は精密な部品で構成されているため、わずかな環境の変化で誤差が発生することがあります。一例として、強い地震や連続の地震が発生した際に、揺れによって測定器の結果に影響が出る場合がありますが、このようなケースでは臨時的な校正が必要です。

※参考元:ものづくりドットコム「測定器の臨時校正の必要性

測定機器の校正を行うタイミング

測定機器の校正は、事前に定められた校正時期にあわせて実施します。定期校正時期の目安は6ヶ月〜1年程度です。

ただし、定期校正以外のケースにおいても、必要であれば校正を実施しましょう。5つの実施タイミングは以下のとおりです。

【校正の実施タイミング】

  • 測定機器のメンテナンス時期
  • 測定機器の使用前・使用後
  • 経年劣化が考えられるとき
  • 測定値に異常や不具合があるとき
  • 前回と環境が異なる場合

定期的な確認だけではなく、機器の使用前後や測定値に異常がみられる場合は、校正によって精度をチェックしてください。

測定機器は精密部品が搭載されているため、環境の変化で計測結果に違いが生じることがあります。前回の測定場所と大きく異なる環境で測定を行う際にも、校正を行うことをおすすめします。

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校正を行う方法

測定機器の校正は、社内で行う方法または外部の企業や業者へ委託する方法が挙げられます。校正を行うための設備や担当者が揃っていれば社内で実施できますが、設備や人材が確保できなければ外部委託を行います。

ここからは、社内で校正を行う場合と外部委託について確認していきましょう。

社内で行う場合

社内で校正を行う場合は、標準器と呼ばれる高精度の測定機器を準備します。校正に適した温度や湿度を満たしている測定室(恒温室)を設け、校正の担当者に一任します。

校正を引き受ける担当者は校正の目的・実施手順を把握している必要があり、事前に教育や資格取得によって校正の知識を有していなければなりません。

測定機器のメーカーは一般的に、1年に1回の校正を推奨しています。実用性を重視する企業や、高温多湿の環境にある場合は、半年に1回(年2回)の頻度が理想的です。

外部委託する場合

校正作業の外部委託には、測定機器のメーカーへ依頼するか、校正の専門業者に外部委託する方法があります。

外部委託では、「試験所認定」と呼ばれる規格・ISO/IEC17025マネジメントシステムを遵守している企業に委託しましょう。

この規格は、製品の検査や分析測定を行う測定機器の校正を実施する校正機関に対して、管理や技術面での要求事項を定めたものです。

校正サービスを提供する企業に委託する際は、事前に問い合わせのうえ校正対応が可能な測定機器を確認しましょう。

校正結果の有効性を立証する方法

校正を行った測定機器は、校正証明書と呼ばれる書類が発行されます。

その測定機器がどの標準器を使って比較されたのかを証明する書類で、「測定結果が国際標準または国家標準に準じており、関連づけられている」ことを示すものです。

校正証明書はISO9001またはISO/IEC17025に則って発行されており、以下の3種類があります。

【3種類の校正証明書】

  • 校正証明書
  • 基準器検査成績書
  • トレーサビリティ体系図

校正証明書には、校正日・品名・型名(型番)・製造番号・製造番号・校正機関・有効期限が記載されています。

ISO9001は品質マネジメントシステムの国際規格であり、測定機器の校正についても品質管理に関する要求事項が定められています。

ISO/IEC17025は「試験所認定」と呼ばれ、試験所や校正を行う機関が正確な測定結果・校正結果を出す能力をもつことを認定する規格です。

ISO9001のような国家標準を使用できる事業者や、計量法関連法およびISO/IEC17025の要求事項にもとづいて第三者の測定機器を校正できる事業者は「JCSS認定事業者」の認定が受けられます。

校正は測定機器の正確性を担保するための作業

今回は、測定機器の種類や目的、校正の必要性とタイミング、実施方法や結果の有効性を立証する方法について紹介しました。

校正は、一定レベルの精度を確保するために行われています。精度の変動が大きい場合や、大きくなる可能性がある場合は、校正の期間を1年ではなく半年にするなど、維持管理を適切に行う必要があります。

校正周期やコストに関する悩みは、校正サービスを提供している企業に相談できます。メーカー以外の企業に外部委託をする可能性がある場合は、事前に相談のうえ校正を依頼してみてはいかがでしょうか。

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