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等価騒音レベル(LAeq)とは?基準値・測定方法とその他の騒音レベル

騒音とは、耳に入ったときにうるさいと感じる大きな音や不快な音のことです。

騒音には機械設備や人・動物の声とさまざまな種類があり、うるさいと感じられる音から聴覚に支障をきたすレベルまで目安となる音圧レベルが設定されています。騒音の音量が上下し不規則になる場合は、「等価騒音レベル」として計算します。

この記事では、等価騒音レベルの概要や基準値、測定方法について紹介します。等価騒音レベル以外の4つの騒音レベルについても取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。

等価騒音レベル(LAeq)とは?

等価騒音レベル(LAeq)とは、特定の騒音ではなくその場所におけるすべての騒音の総和である「環境騒音」の評価を行う際に、指標として考慮する数値です。

日本国内においては1978年(昭和53年)に騒音レベル測定方法が改定され、本指標が導入されました。

日本を含め、世界の国々で採用されている国際的な基準で、日本では環境騒音の評価に加えて、環境省所管の「騒音規制法」に基づいた自動車騒音にかかわる要請限度に取り入れられています。

等価騒音レベルは、騒音レベルが一定にならず変動している場合において、測定時間内の騒音レベルエネルギーを時間平均した数字です。算出には、騒音計の中で重みづけの一種であるA特性を通したレベルが用いられています。

関連記事: 音圧レベルにおける「A特性」とは? C特性とZ特性の違いと計測方法

等価騒音レベル(LAeq)の基準値

環境基本法では、等価騒音レベルの基準値として騒音に関する環境基準を定めています。また、環境省では建設作業騒音や自動車騒音、工場・事業場騒音に規制を行うため、「騒音規制法」も所管しています。

ここからは、環境基本法に定められている環境基準と騒音規制法に定められている特定工場等の基準について確認していきましょう。

環境基準

環境基準とは、騒音全般や航空機、新幹線に関する騒音の基準を規定したものです。

【地域ごとの騒音基準値】

区域区分時間区分
 朝・夕昼間夜間
第1種区域45db以下50db以下45db以下
第2種区域50db以下60db以下50db以下
第3種区域65db以下65db以下55db以下
第4種区域70db以下70db以下65db以下

AA〜Cの類型は、都道府県知事(市の区域内の地域については市長)が指定します。

上記の基準に加えて、A地域・B地域・C地域と幹線交通を担う道路の近接エリアでは、区分ごとに以下の基準値が設けられています。

【区分ごとの騒音基準値】

地域の区分基準値(昼間)基準値(夜間)
A地域で2車線以上の車線を有する道路に面する地域60dB以下55dB以下
B地域で2車線以上の車線を有する道路に面する地域 C地域で車線を有する道路に面する地域65dB以下60dB以下
幹線交通を担う道路に近接する空間70dB以下65dB以下

※参考元:環境省「騒音に係る環境基準について

特定工場等の基準

特定工場等で発生する騒音は、「騒音規制法」「公害防止条例」で規制されており、基準が設定されています。

特定工場とは、「組織整備法」で公害防止管理者などの選任が義務付けられている工場のことです。

特定工場には4つの区域が定められており、朝夕・昼間・夜間に分けて音圧レベルが規制されています。

【地域ごとの騒音基準値】

地域の累計基準値(昼間)基準値(夜間)
AA(療養施設/社会福祉施設などが集合して設置される地域)50dB以下40dB以下
AおよびB(住宅地など)55dB以下45dB以下
C(住居と併せて商業・工業用に使われる地域)60dB以下50dB以下

特定工場の第1種〜第4種区域の詳細は以下のとおりです。

【特定工場の4区域】

第1種区域良好な住居環境を保全するために、特に静穏の保持を必要とする区域
第2種区域住居用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域
第3種区域住居用に供され、あわせて商業・工業等に供されている区域であり、その区域内の住民の生活環境を保全するために、騒音の発生を防止する必要がある区域
第4種区域主として工業等に供されている区域で、その区域内の住民の生活環境を悪化させないため、著しい騒音の発生を防止する必要がある区域

※参考元:環境省「特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準

関連記事: 騒音計とは?規格・種類・騒音値の基準と騒音の目安を解説

等価騒音レベル(LAeq)の測定方法

等価騒音レベルの測定方法は、数式を用いて計算する方法と、測定器を使って計算する方法に分けられます。それぞれの計算方法を確認していきましょう。

数式を用いて計算する方法

数式を用いる計算では、実測時間の中で変動する騒音レベルLA(t)を一定時間間隔⊿tごとに測定し、以下の数式を使って平均値を算出します。

等価騒音レベルは測定時間の関数になっているので、LAeq,Tとして表記します。

※参考元:厚生労働省「騒音障害防止のためのガイドラインの解説

測定器を用いる方法

計算式が複雑なため、一般的な計測作業では測定器が使われます。「普通騒音計」と呼ばれるスタンダードな測定器のほかにも、多彩な機能が搭載され通信も可能な「精密騒音計」が使用されています。

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関連記事:等価騒音レベル(LAeq)とは?基準値・測定方法とその他の騒音レベル

そのほかの騒音レベル

等価騒音レベル以外では、「単発騒音暴露レベル」「最大騒音暴露レベル」「時間率騒音レベル」「振動レベル」があります。建設現場や工事現場では、さまざまな特性をもつ騒音が発生しているため、それぞれ数式を使ってデータを算出する必要があります。

それぞれの騒音レベルの特徴について確認していきましょう。

単発騒音暴露レベル

単発騒音暴露レベルは、工事現場におけるくい打ち音のような衝撃音を表示する方法です。

単発的に発生する騒音のすべてのエネルギーと等しいエネルギーをもつ、継続時間1秒の定常音の騒音レベル」として定義されています。

時間率騒音レベル

時間率騒音レベルは、ある測定時間内に騒音レベルが変動したとき、あるレベルを超えた時間が実測時間のX%を占める場合に、そのレベルを表したものです。

変動する騒音の変動幅、あるレベルを超えている場合の騒音レベルを把握するために用いられる計算・表記方法で、騒音レベルが不規則かつ大幅に変動する環境を評価できます。

最大騒音レベル

最大騒音レベルは、騒音の計測時間内で発生する騒音のうち、観測される最大値のことです。

最大と反対に、観測される最小値は「最小騒音レベル」と呼ばれます。どちらも単位はdB(デシベル)で表されます。

振動レベル

振動レベルとは、物体がある基準位置から上下または左右に位置の変化を繰り返す振動現象について、振動加速度レベルに人間の鉛直方向における感覚補正を加えたものを指します。

工事現場の近くを通ると、軽い振動を感じることがあります。振動レベルはこのような揺れをdB(デシベル)で表記し、その影響を5つの段階に分けて定義しています。

関連記事:構造物の振動を計る「振動計」の仕組みと目的・測定の重要性

騒音の内容や基準値を把握して測定を行う

今回は、等価騒音レベルの概要と基準値、測定方法とそのほかの騒音レベルについて紹介しました。

自然または人工的に引き起こされる騒音には、繰り返しや一定時間継続するもの、単発または等間隔に起こるものなどがあり、それぞれの騒音レベルを正しく測定する必要があります。

騒音レベルの算出は複雑な計算式で表されるため、一般的な検査や計測では専用の騒音計を使用します。パソコンと連動させてデータの解析や分析が行える騒音計も利用できますので、騒音対策や計測の際は使用用途に合うものを選びましょう。

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