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杭ナビの特徴・事前準備と杭打ちの手順・メリットやデメリットを解説

トータルステーション「杭ナビ」は、従来のトータルステーションの機能に加えて使いやすさや汎用性の高さが特徴的な計測機器です。

デバイスに対応するアプリケーションも搭載されているので、3D設計データや放射観測による3次元測量を行うことができます。電源を入れるだけで自動的に整準などを行うため、作業者が限られている環境でも効率的に運用できます。

この記事では、人気のトータルステーション「杭ナビ」について、製品の特徴と使用前の準備、使い方を紹介します。

杭ナビとは

杭ナビは、株式会社トプコンから販売されている小型のトータルステーションです。

1人での作業にも対応できるように、機動力や性能を向上させたモデルが登場。電源ボタンを含めて操作ボタンは3つのみ。使いやすさや操作性能に配慮されています。

杭ナビの特長には、次のような点があります。

  • 3次元座標データを使う作業が可能
  • モータドライブによる自動追尾機能
  • 無線LANとBluetoothを搭載
  • 本体の体積と質量を大幅に軽量化
  • 自動整準機能で手軽に設置できる
  • Android端末によるコントロール
  • 直径200m高低差±10mの作業に対応
  • 2色のガイドライトで測設ラインを指示
  • 20回/秒の超高速測設ガイドを搭載
  • 杭打ち専用のアルゴリズムを採用

杭ナビは、「誰にでも簡単に1人で」を重視して開発されたトータルステーションです。

機器を置いて電源を入れるだけですぐに使い始められる性能に加えて、Android端末をコントローラーとして使用することで直感的に操作できます。従来のモータードライブ搭載型トータルステーションから体積65%、質量55%の小型化を図り、持ち運びもしやすくなりました。

自動整準と追尾機能による作業者1人での杭打ちが可能で、直径200m高低差±10mまでに対応し、高低差のある現場でもすばやく作業が開始できます。

杭ナビは一般的なトータルステーションと同じく、現況観測や杭打ち(測設作業)に使われます。熟練した技術が求められる作業をよりスピーディに行えるよう、省人化や省力化を目的として開発されたモデルです。

関連記事:トータルステーションとは?使用方法方や機能ごとの違い・種類を紹介

杭ナビを使用する際の事前準備

杭ナビを使用する際には、次の準備を行う必要があります。

  • 杭ナビ本体
  • バッテリー
  • 操作用端末
  • プリズム
  • ピンポールなど
  • 三脚
  • 設計図・地図
  • 安全装備

杭ナビの本体とバッテリーを確認します。操作用の端末としてスマートフォンや杭ナビの付属品を一式準備し、安定した位置に立てるための三脚も使いやすいものを準備してください。

杭の位置を視覚的に確認するためには、地図や設計図を用意することが推奨されます。安全装備としてヘルメットや手袋も着用してください。

杭ナビの使い方

杭ナビを使った作業の流れとして、事前準備を行ってから現場の座標データを検出し、操作端末に転送します。端末上で現場を作成し、座標データを入力します。

次に、杭ナビ本体を三脚に固定して電源を入れます。杭ナビと操作端末を接続し、手順にしたがって操作と測定を行い、杭打ち作業に入ります。作業後は座標データを出力して、実際に杭打ちを行った場所の測定結果と設計図の値を比較し、チェックします。

杭ナビを使うメリット

杭ナビはトータルステーションに熟練していない作業者1人でも使用できるように、操作性を向上させた測量機器です。レーザー測定を利用することで、高い精度の位置出しが可能です。

地面が水平ではなく、凹凸やぬかるみがある場所でも座標データの自動検出や測定や記録が可能です。施工前にすべてのポイントを測定する必要がなく、併行作業にも適しています。

トータルステーションの扱いや杭打ち作業に慣れていない方でも手順に沿って杭打ち作業が行えるため、作業の省人化にも寄与します。

杭ナビを使うデメリット

杭ナビは、一般的なトータルステーションよりも高額な機器です。費用対効果が得られるか、維持費やメンテナンス費も考えて購入を考えなくてはなりません。

高価な機器のため、正しく取り扱う必要があります。特に作業者が1人で作業時には、誤操作を防ぐための注意が求められます。

杭ナビはワンマン測量に適したツール

今回は、「杭ナビ」の特徴や使い方について紹介しました。従来のトータルステーションにありがちな操作の煩雑さを取り除き、ボタンを3個に集約など、初めての使用でも迷いにくい操作性が特長です。

杭打ち作業は高い測量技術が求められるため、知識や経験が不足していると誤った結果に繋がることがあります。杭ナビはそのようなトラブルを防ぐために開発されており、作業者が熟練していなくても経験を積むことができます。

価格や費用対効果を考える必要がありますが、ワンマン測量を行う現場や効率化・省人化を検討している現場ではぜひ検討することをお勧めします。